「だから、前に琉君が約束してくれたよね? わたしを迎えに来てくれるって。それまで待つから。お医者さんになって、わたしを迎えに来て」
それがとても難しいことであるのは、よく分かっている。
だけど、今のわたしにはそれしか考えつかなかった。
「わたし、我慢強いことには自信があるの。琉君が迎えに来てくれるまでの間、学園で待ってるから」
もし、迎えに来なかったらどうしよう、などということは一切考えないことにする。
お医者さんになるためには、かなりの時間がかかると聞いた。
それでも、待てると思った。
「学園に、何年居るつもりだ?」
琉君は、眉間にしわを寄せて私の顔を覗き込んだ。
「えっと、あと……何年待てばいいの?」
「高校の三年間、大学の六年間は最低でも必要だな。その時千花は……もう、高校をとっくに卒業してる。それでも学園に残るには……」
わたしは、やっと将来の目標を手に入れた。
「ちしま学園の先生になる。そのためには大学に行って、先生の資格を取らなくちゃ!」



