幸せの種


「悪いけど、私はミーナの捜索に行ってくる。穂香先生は多分、子ども達の寝かしつけをして、そのまま一緒に朝まで寝てしまうだろう。二人もこっちのことは気にせず寝なさい」

「わかりました。念のため、高橋先生の携帯電話の番号を教えてください」


琉君がメモを取った。それから。


「千花、ミーナが行きそうなところに心当たりは?」

「わからない……最近話してないし、部屋も離れてるから。でも……『工業高校の〇〇君がカッコいい』とか言ってたから、その辺の子と遊んでるかも」

「ちーちゃん、ありがとう。じゃあ、探してくる。きっと遅くなると思うから、先に寝ていなさい。おやすみ」


高橋先生が捜索に行ってしまい、静かなリビングにわたしと琉君だけが残った。

時間は十時になったばかり。

学園では消灯時間に入るところだけれど、ここは穂香先生の家。

普段は男子棟と女子棟に別れているわたし達だから、こんな時間に一緒に居られるのは、小学校の頃一緒に蛍を見たキャンプ以来だった。