私は出入口のすぐ側の机に置いたペットボトルのお茶を飲んだ。
結城が衣装替えのためにかスタジオを離れようとしていた。
私の横を通り過ぎる時に結城の手首を掴んだ。
「結城、助かった。感謝してる。
あの、…ありがと。」
私はそう言って結城の手首を話しそっぽを向いた。
「まあ、頑張れよ。」
結城はそれだけ言っていなくなった。
私がペットボトルを同じ所に置くとカツカツとヒールが走りくる音がした。
「小夜ちゃん!凄かった!
遠くからしか見えなかったけどわかったし、今カメラマンさんに写真見せてもらったよ!
玲於君のおかげもあるよ!
なんて言うかさ…」
声の方にはハイテンションで語る姉ちゃんがいた。
「玲於君と小夜ちゃんは同じ種類の人だと思うんだよね…」
姉ちゃんも同じことを言う。



