輝きに満ちた世界で



「俺と英は同じタイプの人間だ。



俺をデートの相手だと思え。
自分をそう思い込ませれば出来るはずだ。
一度掴めばすぐにできるようになる。



俺を彼氏だと思って笑顔を向けてみろ。」



私は目を瞑り、自分自身に暗示をかけるように心の中で呟く。



目を開くと“彼氏”である結城はカメラの横にいた。



愛しい人がすぐ近くにいる…



そう思えば笑顔が浮かんでくる。



一度出来てしまえばすぐにできるものだ。
私は目の前の愛しい人に自分の姿を見てほしいと思って、色んなポージングをしてみた。



背中を向けてふりかえってみたり、カメラのレンズから視線を外してみたり、髪をかきあげたりしてみた。



「はい、OKー。
ちょっとセット変えるから水分飲んできな。」



私はそう言われてカメラマンに頭を下げ、その場を離れた。