「小夜ちゃん、準備出来ました?」
入ってきたアシスタントさんに連れられてスタジオに来た。
ちょうど撮影を終えた姉ちゃんが私の方へと走ってきた。
あと数メートルって時、姉ちゃんは地面を蹴って私に抱きつく。
「ぐぇ。」
「小夜ちゃん、可愛い!可愛い!
本当にみちがえるように可愛くなった!」
女子としてよくない声をする私を無視して私の頬を手のひらで潰す。
「やみぇ、みぇーくくじゅれりゅ。」
私は姉ちゃんの手首を掴み離した。
ようやくまともに息が吸えた私は少し深く息をする。
そして姉ちゃんの肩を持って右にズラし、撮影中のモデルを見た。
カメラ目線でポーズをとる姿を見ていた。
私のさっきのポージングで大丈夫かなと不安にならずにはいられなかった。



