「あの、小夜ちゃんでいい?」
「はい、大丈夫です。」
横から女性に声をかけられた。
「メイクを担当する佐々木です。
よろしくお願いします。
メイク室の用意が出来ました。」
「こちらこそお願いします。
じゃ結城、また。」
私は結城に別れを告げて佐々木さんに着いていった。
「小夜ちゃん、紫さんの妹さんなんでしょ?あんな綺麗なお姉さんいて羨ましいわ〜」
メイク室に入って私は椅子に座らされた。
佐々木さんがメイク道具を用意しながら言った言葉に私は少し笑顔になった。
やがて準備が出来たのか佐々木さんは鏡越しに私の顔を見る。
「メイクしてる?
めっちゃ肌白いし綺麗なんだけど。」
「いえ、すっぴんです。」
私がそう言うと佐々木さんはちょっと驚いていた。
「むっちゃ綺麗だから下地だけ塗ってるかと思った。」



