「なあ、結城…絶対誰にも言うなよ。
姉ちゃんの邪魔はできない。
私にそんなことする権利はないから。」
私は姉ちゃんの出ていった扉を見る。
「へぇ〜、もしかしてシスコン？」
「そんなわけないでしょう!?」
私は１度座った椅子からまた立ち上がった。
「お願いだから、ホントに。
なんでも言うこと聞くから。」
私は結城の目を見て言う。
「なんでも？」
「なんでも。」
私がそう言うと結城は満足そうに笑った。
私はふとスタジオが騒がしいことに気付き、その方に顔を向けた。
結城はその騒ぎの方向に歩いていった。
何かをスタッフさんと話しているのを私はぼけーっと見ていた。
やがてツカツカとこちらへと歩いてきた結城は私の手首を取り元いた場所へと向かう。
