目を開くと自然と目から涙が零れる。



地面に落ちた雫に太陽が反射して視界が白くなる。



止めどなく溢れる涙を抑えることは出来なくて、ただ目から涙が零れ落ちるのを感じるだけだった。



どれだけ日が昇ったかはわからない。



「小夜。」



不意に呼ばれて振り返る。





そこには雲の隙間から漏れる光の柱に照らされた玲於が笑っていた。



「行こう午後から撮影なんだから。」



私は差し出された手を握る。



冷たい空気に晒されて冷えた私たちの手は互いを温めるように強く握られる。