「ん、ごほうび。」
そう言って彼は私を振り向かせて口付けをする。
軽いリップ音をさせて離れた唇。
手元を見るといつの間にか持たせたのか私の手には青い箱が乗せられている。
「開けていい?」
私はそう聞いてから開く。
そこには小さなダイヤが埋め込まれた指輪。
「一緒に生きてくれるんだろ?」
私はその言葉に指輪を顔の近くに寄せて何度も頷いた。
出会って8ヶ月、私はあなたと一緒に生きようと決めた。
ピタリと私の指にはまった指輪。
「クリスマスプレゼント。」
笑顔で言われて私は少し目を開く。
「私、何も用意してない...」
「いいよ、小夜自身もらったから。
最高のプレゼントだから。」
よくこんな恥ずかしいセリフ言えるよな、
と私は少し笑った。
「ほら、行くよ。」
玲於に手を引かれて私は立ち上がる。



