「秋コレの日、偶然玲奈の手紙を見つけて読んでたんだよ。
“大好きだよ”って玲奈の言葉を見てたらもう英に復讐なんてする気は失せた。
英に復讐したって玲奈は喜ぶわけないから。」
私はその言葉を聞いてスっと涙が引っ込んだ。
れーちゃんは本当に私を許してくれるだろうか。
たった1度の約束さえも守れなかった私を。
命を落とした後でも私を友達と思ってくれるだろうか?
最初で最後の約束ぐらい守りたかった。
「英、好きだ。」
結城の口から出た言葉にまた涙が零れる。
「俺と一緒に、玲奈の分まで生きてくれませんか。」
「っはい...!」
私が返すと結城は私を引き寄せる。
勢いよく飛び込んだ結城の胸は厚かった。
結城からは香水に紛れ、あの頃のれーちゃんと同じ匂いがした。
優しくて甘くて、でもどこか力強い懐かしい匂い。



