パフォーマンスも終わり、コレクションは終盤になり歓声も大きくなっていた。
「小町さん、スタンバイお願いします。」
私はその言葉にランウェイの入口に立つ。
私の前の人のタイミングを見てランウェイへ。
今日4度目のランウェイ。
変わらないはずなのに毎回違って見えるのはなんで?
これを含めてあと2回。
来年もここに戻ってきたいと強く思う。
ランウェイの端に着き、少しだけ潤んだ目を隠すように“いー”と笑った。
けれど、帰るために振り返った時だった。
足の甲に何か重く固いものが落ちてきたような鈍い痛みが走る。
体が斜めになり倒れそうになる。
思わず目を見開くと溜まった涙が散った。
咄嗟に出した左足で持ち堪えたものの、少し右足を引きずるように歩く。



