輝きに満ちた世界で



控え室に入るとメモを見つけた。



“メイク落として顔洗っておいてね。
パックも置いてあるからそれ使っていいよ。
時間になったら来ます。佐々木”



衣装を着替えてから私は洗面台で指示通りクレンジングオイルでメイクを落としてから顔を洗う。



メモの横に置いてあるパックの封を開けてパックを始めた。



控え室の中央のテーブルに置いたプリザーブドフラワーを持ってきて見る。



その数輪のピンクのバラが凄く凛々しく見えた。



ただ何をするでもなく、その花と律儀な文字で書かれた私の“名前”を見つめていた。



この送り主の子にとっては私はモデルの小町としてしか映らない。
ふと、“英小夜”という人間も知ってほしいと思った。



「あ、使ってる使ってる。」



「ふぇ?」



ふいに聞こえた声で振り返る。