私がバックヤードに着くともう既に姉ちゃんとSEIRAさんがいた。
「小町ちゃんきたきた。
ランウェイの端まで行った時どうするって話してたんだけど、客席に向かって撃つでいい?」
彼女は右手の親指と人差し指を立てて見せた。
「大丈夫です。」
「あ、ついでに撃ったあとは吹き消してね。」
姉ちゃんが銃の煙を消すように息を人差し指に吹く。
「了解。」
私は肘を軽く曲げ、SEIRAさんの手を真似て一瞬だけ作った。
ぱっと手のひらを開いてギュッと拳を握る。
「第5組、スタンバイしてください。」
私達はその声に顔を上げてスタンバイする。
真ん中はSEIRAさん、その右に私、反対隣に姉ちゃんと並ぶ。



