やっぱり伝えるべきではなかったんだ。
負け戦なんて悔しいだけじゃない。
わかってたよ。
わかってた。
結城は私を好きになってくれることはない。
あっちは私のことを仕事仲間だとしか思ってない。
なのに私は結城に私の気持ちを押し付けた。
最悪だ。
最低なヤツだ。
泣きそうになり、立ち止まる。
泣いたらメイクが崩れてしまう。
上を向いて涙がこぼれないようにする。
少し収まって私は走り出した。
屋内とはいえ、寒い廊下を私は走る。
最近ようやく慣れてきたハイヒール。
衣装がピンヒールじゃなくてよかったと、今更ながらに思った。
冷たい空気が頬を掠め、ようやく自分を取り戻すことができ、私は足を止めた。



