私はまた一度大きく息を吐いてから結城の控え室のドアを叩いた。
「英か...入って。」
結城は私の姿を確認すると私を中に招き入れた。
結城も準備は終えているようで最初の衣装に着替えていた。
今は5時15分。
6時開演だから話せるのは20分ぐらい。
充分と思えばそうかもしれないけれど、本音はもっと時間が欲しい。
私が気持ちを伝えるのに、どれだけ時間がかかるかわからない。
正直、何を言うかなんて1ミリも決めてない。
ただ気持ちを伝えようと思っているだけ。
だから時間をかけてゆっくりと言葉を紡ぎ出す。
時間はかかるけど、伝えなきゃいけない。
残された時間はあとわずかしかない。
私は限られた時間しか使えないんだ。



