「玲於君、小町さん出てください。」
私はそう言われて結城と1回目を合わせバックヤードからランウェイへと足を進めた。
大丈夫、色んなモデルのウォーキングを見たし、練習もした。
それに隣にはアイツがいる。
絶対に成功する。
すぐに客席が見えてきた。
「「「きゃーーー!」」」
女子の甲高い声が響く。
ランウェイの端までの道のりで私は手を振る観客に手を振り返した。
それで笑顔になってくれる相手を見ると私も笑顔になれた。
端にたどり着くと私と結城は少し目を合わせ、どちらからともなく手を繋いだ。
絡めた指を見せるように手を上に掲げる。
この行動で今回の報道が演出だと考える人も出てくるだろう。
しばらくするとパッと離してバックヤードへ戻る。
広い会場を埋め尽くす多くの人たち。
ランウェイからの景色を目に焼き付けて私はバックヤードへと戻った。



