輝きに満ちた世界で



「小町さん、バックヤードに入ってください。」



「はい、今行きます。」



声をかけられた私はそう言って小さなペッドボトルに残った水を飲み干した。



バックヤードに着くとそこで結城がスタイリストさんに最終チェックを受けていた。



私は手にあるペットボトルを数メートル離れたところにあるゴミ箱に投げ入れた。



「ナイスイン。」



そう言われて振り向くとそこにはチェックを終えた結城が立っていた。



「ど?緊張してる?」



「まあ、それなりには。
初めてのランウェイだしね。」



私はその壁の向こうに広がる景色を思い浮かべた。



「大丈夫だ、俺もいるし。」



私はその言葉に頷いた。



私たちの前に歩く人がランウェイへと向かった。

私たちはランウェイへの通路の傍に立つ。



やがてさっき出た人が戻ってきた。
私は一つ大きく息をした。