理由も名前もわからない感情を抱えながらも秋コレ当日は近付いてきて、プログラムと私たちが着るブランドが発表された。
私と結城が一緒に歩くことがわかると落ち着いてきた報道も再加熱。
秋コレの顔合わせミーティングの時やリハーサルの時は報道陣が集まったそうだ。
当の私たちは裏口から出てそれぞれマネージャーに送ってもらっていた。
そしてやってきた秋コレ当日。
姉ちゃんは私より先に歩き、既に出番を終えていた。
メイクなどの最終チェックも終え、楽屋の廊下のベンチに座っていた私は社長に呼び出された日を思い出した。
『秋コレのランウェイの話で、私も関わってるの。
それで“秋に行く京都デート”っていうテーマのコーデで男女ペアで歩く所があるの。
そこに二人を入れる。
もともとそのブランドから小町に打診があったしちょうどいいわ。
それで全て演出だったということにしましょ。』
そのセリフが私の頭の中交錯する。



