「この話は多分騒がれるわ。
明日の朝のニュースには載る。もう取材の電話が鳴ってる。
もちろんうちの事務所は恋愛禁止ではないし、あなたたち二人なら文句を言う人も少ないわ。
でもこっちでその実態を把握しておきたいの。」
藤峰社長はその記事のコピーを折ってしまった。
私と結城はお互いを見合う。
「俺たちは付き合ってるなんてことはありません。
でも確かに一緒に出かけました。」
「その日は始業式で、帰りにショッピングモールに行ったんです。
私が秋コレを歩けることになったお祝いとして二人でカフェに。
その時に撮られたんだと思います。」
私は事情を説明して下を向いた。
あぁ、あの時気を付けていればこんなことにはならずに済んだのに。



