輝きに満ちた世界で



藤峰社長が差し出した紙を私と結城は身を乗り出して覗き込む。



それは週刊誌のコピー。



「なんですか、これは。」



私は思わず聞き返した。



コピーには

“まさかの熱愛!同い年の人気モデル、秘密の制服デート!”

という文字がある。



「見ての通り、あなた達の熱愛報道よ。
明日発売の早刷り。」



「…9月某日。

都内某所にて人気の高校生モデル結城玲於と小町の“制服デート”の様子が撮られた。

同じ事務所でかつ、同い年の2人。
先日、Autumn Collectionの出演者として発表されたばかりだ…」



隣にいる結城が記事の内容を音読する。



記事には始業式の日に行ったカフェでの様子を私と結城の写真が制服をモザイクで隠され写っている。



しかも一番大きく載せられた画像は私が結城の持ったスプーンからアイスを食べている瞬間だった。