相変わらず目をキラキラとさせる姫華。
そんな彼女を動物で表すなら…チワワだ。
チワワ一択。
「でもさよっちって誰かと似てるんだよね〜?誰だろ?」
私はその言葉を聞いて戸惑った。
「き、気のせいじゃない?」
あくまで姉ちゃんがモデルの紫であることは伏せていなくてはならない。
姫華からの追求から逃げるように新しい教室に入る。
新しい教室、新しいクラスメート。
今までの様子とは一変した。
けれど変わらないのは隣で姫華が笑ってること。
この子がいるから私はこうしていられる。
姫華が喜ぶようにしたいと思う。
だって姫華は“あの子”に似ているから。
「姫華、私のこと好き?」
「うん、もちろん!大好きだよ」
姫華は本当に私を好きでいてくれる。
でも私はあなたを通して思い出の中のあの子と重ねてしまう。
そんな私を許して。
せめてもの償いに私は姫華の理想であるんだ。



