「何かが足りないー!」

幾ら旅をして視野が少し広がったといっても中々自分たちのこれまでやってきた事に対するプライドは曲げられない。
それは皆も同じだった。


悶々とする日々が続く中、舞音は久しぶりに銀河鉄道に足を向けた。
変わらず堂々とするその様は凛として格好良い。
夕方の赤い日に照らされた銀河鉄道は情熱的な熱量を帯びて舞音たちが来るのをを待っているかのようにも見えた。

「いつまでも意地の張り合いをしていては進めないですね。」

いつのまにか隣にいた街道がホールを見上げる。その目は真剣だった。

「そうですね。旅で出会ったたくさんの人に教えてもらった事無駄にしたくないですし。私達は私達に出来る最高のものを。」

一人じゃない。
同じ夢を持った仲間がいる。
もちろん意見がぶつかることもある。
だけど、良いものを作りたい気持ちは誰にとっても嘘じゃない。
認め合って、高め合って、そしてなお高みを目指す。

いくつもの試行錯誤を繰り返し、とうとう舞音たちは銀河鉄道でショーをする機会を手に入れた。
舞音の閃きが街道のパフォーマンスと仲間の踊りを一つにし無事にショーを完成させた。
もう憧れた夢は目前である。