たった7日間で恋人になる方法


何も知らない牧村さんは、ホールの中央に進み、さらに一面に広がるガラス張りに近づくと、上から下を眺めるように見廻した。

『ここからの景色は何度見ても、凄く気持ちがいい…ほら、森野さんも見てごらん』
『いえ、私は、ホントに結構です』
『ん?…どうかした?』
『…高いとこ、ちょっと苦手なので…』
『え?本当に?…それは、もったいないな』

そういうと、少し目を細め、何かを考えるそぶりをしてから、ホールの入り口に立つ私の元にやってくると、何故か徐に後ろに立った。

『な、何ですか?』
『せっかくの景色だから、一緒に見よう』

不意に、牧村さんの右手が私の右肩に触れる。

『!!』
『大丈夫…俺が支えるから、怖くないよ』

耳元でそう囁かれ、身体中にゾワリとした悪寒が走る。

抵抗する間もなく右肩を抱かれたまま、存外強い力で窓際まで誘導される。

『あの、牧村さん、ちょっと…』
『ここはね、本当は昼間より夜景の方が綺麗なんだ』

無意識にガラス越しに眼下を見下ろしてしまい、その高さに慄き、思わず強く目をつぶってしまう。

『森野さん?…』

逃げようにも、足がすくんで動けない。

こんな時、ゲームの中だったら、颯爽と琉星が現れて、助け出してくれるのに。

リアルな世界に、琉星は存在しない。

”誰か…助けて…”

心の中で叫ぶ。