「楼くん!どうしたの?!その血!」 鈴音の声が聞こえ、俺達は玄関の方へ向かった。 「鈴音さん…稜真さんが…!!」 楼は自分より10センチも差のある稜真をおぶって、帰ってきた。 どちらの血かも区別がつかないほど血だらけになりながら。 「全部、稜真さんの血です…!はやく治療を、お願いします…」 その目は“後悔”。それだけだった。 ─そして今に至る。