そんな心、よんでいただろうに惆悵は隣にいてくれた。







“主様、私を使ってください…っ!”





惆悵を使っていれば、傷はおわなかっただろう。






それでも僕は、使わなかった。








「…惆悵、君と久遠を会わせても…僕の二の舞になるだけだ。」








惆悵は悔いていた。





たとえ流れる時間は違えど、惆悵と宗明さんを引き剥がした事を。








「惆悵…君のした事、間違いじゃないよ。僕だってそうしていた。」