「おはよう、日和」
そこに佇むのは、銀縁のメガネがよく似合って、
シワひとつなくネクタイをきっちりと上まで結んだ、ヤンキーとは真逆な人。
「おはよう、右京さん」
近所に住む幼馴染みの右京さんだ。
「ごめんね、まだ朝御飯作ってないの」
「あぁ、大丈夫だよ。
それより日和、身だしなみ整えておいて。
朝食は俺が準備するから」
そう言いながら右京さんは靴を脱ぐと、迷いもなくキッチンの方へ向かった。
洗面台に向かって鏡を見ると、朝なのに少し疲れたような顔をしていた。
全体的に青白い顔だった。
右京さんは私が“こういうこと”をよく起こすということを知っている。
さっきも、きっと気づいたから私の代わりに朝食を作りにいったんだ。
右京さんと朝食を食べるという不思議な関係。
それは少し前から始まっていた。


