「……なに」
自分でもびっくりするくらい、低い声が出た。
それだけ睡眠を妨害されたのにイライラしてしまったみたい。
たぶん、イライラしてるのはそれだけが理由じゃないけど。
僕は寝転がって、そっちも見ないまま話す。
「……これ、落としてないですか?」
そう言って見せられたのは、クマに鈴のついたストラップ。
…………僕のもので、間違いなかった。
確かに、それは僕のものだ。
でもそれはある人からもらった、僕にとって呪いの人形みたいなもの。
可愛らしいクマだからみんなはそうは思わないかもだけど、僕にとっては藁人形みたいなもの。
大好きで、大嫌いなあの人からもらったもの。
手離したくても、何故か手離せずにいた。
いい機会だ。
そう思った。
自分じゃ一生捨てられないから、だから。
「それ、捨てといていいよ」
捨ててもらおうと思った。


