副総長さんは、どうやら私のことがほっとけないみたいです。








「よいしょっと」






資料室に入ると、埃っぽい匂いが鼻をさす。


何回来ても慣れない匂い。




いつも通り教材をもとの場所に戻して、私は資料室を出ようとした。





が、




「わっ……と」




丁度入ってきた人とぶつかってしまった。




「……すみません」




一応謝る。

けど、その人はわたしにはなにも言わずにそのまま資料室に入っていく。




……感じ悪くない?



イラッとしたけど既にわたしに背を向けているその人に文句言うとかは考えてない。

何か背も高くて少し怖そうだし。





このまま出ようとしたとき、




カランッ




という音と共に、足で何かを蹴飛ばしたことに気づいた。





それを拾ってみると、小さな鈴のついた熊のぬいぐるみだった。





えっと……入ってくるときはなかったよね?



ってことは、今ぶつかったあの人のかな?





感じ悪いと思ったけど、その場にいるのに声をかけないのは、それこそ私の方が感じ悪い。




私はもう既に部屋の奥へと入ってしまった背中を追いかけた。