授業開始のチャイムがなる。
先生が入ってきても、みんな無視。
先生も慣れているから、それをお構いなしに授業を始める。
誰も聞いてはいない。
というか、この授業聞く意味ないよね……?
どう考えても、中学生の内容。
なんで高校2年生がこんなんやってるんだろう。
「はぁ……」
退屈すぎる授業にため息をついて、私は机に伏せた。
◆◆◆
「香月さん」
そう呼ばれて顔をあげた。
どうやら爆睡していたらしい。
時計を見ると授業は終わっていた。
「……なんですか?」
私を起こした先生に、目を擦りながら用件を問う。
「この教材、資料室に戻してといてくれないかな?」
「はぁ……」
私が真面目そうで、頼みやすいからって。
毎時間こうやって声をかけられる。
面倒くさいけど、もうこれはいつものことだし。
気にせずに引き受ける。
「ありがとう」
私は、教室を出ていった手ぶらの先生の背中を見ながら、教材を持って教室を出た。


