【日和Side】
学校につくと、いつも通りガヤガヤした教室。
照り光る髪色に、音のなるピアス。
原型のない制服を着た彼らは、私をちらっとみてから大声で笑い出す。
私はそんな彼らの脇を通り抜けて、窓際の自分の席についた。
私だけが圧倒的に場違いな教室。
いじめられないで済んでいるのは透真の姉弟だからだと思う。
みんな、『陽炎』には逆らえないから。
その時、教室でも派手な格好をした彼らが大声で話し出した。
「なぁ、そういえばあの噂きいた?」
「あの噂って?」
「陽炎潰そうとしてる族がいるって話」
「やばくね? 大丈夫なの?」
「理斗さんと千里さんいれば絶対問題ないでしょ」
……そんな噂があるんだ。
透真、お願いだから怪我をしないで。
私が“執着”というものをやめたあの日から、私は透真を見守ることしかできない。


