好きになる10秒前。

それからは散々だった。

兄は髪を染め、タバコを吸い、酒を飲み、夜な夜な街を徘徊した。



その度に父は暴れまわり、母は泣き叫び、
意味もわからず幼い私はその姿を眺めていた。

階段を踏み外すとこうなるのだ。



幸せな時間は、幻でしかなかった。