空には月がない
新月だ…

























〜〜〜











息が白い…

もう冬が来る………

































赤い水溜り
景色

























そこには赤を薄めたようないや
桜が…桜色が立っていた







「危ないからやめなさい。」
優しくまるで…に言うような口調で男は言った


















「強くならなきゃ…」

















「充分だよ。
俊は私を守るために力を使いなさい。



さあ帰ろう。」





手をこちらへ差し伸べた
俺は珍しくそれを取って家へ帰った。




















なんだかそれは新鮮で少しくすぐったかった。






それから長が戻った漣は活気を取り戻し元の姿を戻しつつあった
それとともに彼らも
その時も迫っていた




















〜〜〜


「あ、雪」





紗智栞さんが外を指差しそう言った
ちらりちらりと雪が舞う
時間が少しゆったりと流れた感じがした



「いつ生まれるのかしら。」

彼女のお腹
臨月はとうに迎えている
予定日も過ぎていた。

















「じゃあまた来ます。」



「俊平くん。」












上着を着て部屋を出ようとした俺を彼女は引き止めた


「よろしくね。」















静かで不安に満ちた声…


「わかりました。」

俺は笑顔でそう言った


うまく笑えていたかは分からないけど…




















〜〜〜




















愛兎さんが見たことのない着物を出していた
………




天堂さんと何か話している
その日は眠れなかった
布団の中でうずくまって夜を明かした
























東の空が赤く染まった頃
その不気味な空に銃声が響いた










































































部屋を出ると
昨日愛兎さんが返したはずの男たちが変わらずいや…
いつもとは違う空気をまとって立っていた
彼らの手にはそれぞれなにがしらが握られている
その先頭にいるのは桜色…