夜ご飯の時間になっても誰も帰って来ない…

















1人で食事をとった

……


朝起きたら枕が濡れていた。
鏡の前に立つと頬には雫が流れた跡がある


ちっ


顔をバシャバシャと洗った


「寂しかったのかな。」


後ろに立っているのは総丘さん


「なんでもないです。」





彼の隣を通り過ぎ歩く







「待てよ少年。」








「少年じゃありません。
中谷 俊平です。」






「君は俺を遠ざけるよな。
なんでだろ。」






探る目







「苦手ですあなたが」








「ストレート。
いくら俺でも悲しくなるよ。」


男くっと短く笑った


「中谷 俊平ね……。」


俺の名前をつぶやいて俺をジロジロと見る



「俊平」


桜色の声だ
総丘さんはその声を聞いてその場を離れた
「愛兎さん
今回は何日くらいここにいられるの?」


















「約束はできないが1ヶ月くらいは特に用はない。
久しぶりに長居できそうだ。」

いつもの柔らかい笑みはない
厳しい顔だった

「また、手合わせして。」

























「ああ。
いいよ。」
「いいの?!」






「何をそんなに驚いてる。」

少し表情を崩した




「忙しそうだから断られると思った。」





「俊平…。
私が1番大切にしているのは皆と過ごす時間だ。
誘いは断らない…
いつでもなんでもいえ。」















柔らかい笑顔。

ずっと見たかった顔……















〜〜〜
















食事をとって稽古をして風呂に入って寝て
起きて……っていうのを繰り返していた
その日は慌ただしかった
……。