それからは朝〜夕暮れまでは愛兎さん。




夕暮れ〜ご飯〜風呂までは天堂さんが強さに付いて教えてくれた。






「私も何か教えようか。」





遅れて総丘さんがそういってきた
「いいです。」





「えー。」



「じゃあ何できるんですか…。」



一応聞いてみる




「筋トレ?」


ふんっと鼻息を荒くして腕に力を込めた
たしかに三人の中で1番筋肉が付いている



「いいです。
今筋肉つけたら身長伸びなくなるんで。」



「そうか小さいもんな中谷ちゃんは。」



バカにしたように笑った男
気にせずとおりすぎた



〜〜〜



ある日の手合わせ






「俊
お前天堂に何かしてもらってないか?」


俺の攻撃を避けながら楽しそうな顔で言う
「あ?」


「これとか」


近くにあった竹刀を手に取り男はかまえる
オレは一旦止まった


「すこし。」


「へえ。」


さっきよりも口角を上げる


「見せてよ。」


それを持って構える
……
隙が……


無い。


いや…
汗が額を伝った


鬼は汗ひとつかいていない


竹刀を構える姿は様になっていた


足を踏み入れるリズム…。
天堂さんに叩き込まれた基本の動作
それは、愛兎さんの足の動きにもあった


見えてくるってこういうことか。


ーパーン


気持ちのいいほどいい音が響いて頭が揺れた

「また考え事してたな。」

座って愛兎と話す
オレはなにも言わなかった

「俊、天堂に何か変なこと言われてないか?」

うーん
一応考えてみる
愛兎さんの弱さとか?
ボコボコにされた話とか?

「ない。」

「ふーん。」

まあ何かされたら言え。

そう言って男は出て行った。
その後ろ姿を見ていると

「さっきのは何かピンと来た顔だったね。」

天堂さんが隣に座っていた


……!


いつもいつも音もなく現れる彼
忍者か何かなの?ってレベル


「少しだけ攻撃が見えた。」


「へー!
すごい成長じゃん!!」


男はいつもの変な笑いじゃなく綺麗に笑った
「今日は少しだけレベルアップしようか。」


そう言って新しい構えを教えてもらった