「そうかなー。雪菜なんて名字も同じイチノセなんから、気が合うかもしれないじゃん」


「なっ、なにそれ！まさか！」


「今度一緒に彼方くんに話しかけてみるー？」


イタズラっぽく問いかけられて、再び顔が歪む。


「む、無理っ！私は遠慮しとく！」


「あはは、冗談だって～。もう、雪菜はほんと男の子に無関心なんだから。せっかく可愛いのにもったいないよ。その気になれば絶対すぐ彼氏できるのに～」


「……」


璃子はいつもそんなふうに言ってくれるんだけど、私は正直全くそんなふうには思えない。


だって、自分は男の子に好かれるような、甘え上手で愛嬌があるタイプでもないし、仮に付き合ったとしても、真面目でつまらないと思うし……。


何より今は彼氏なんて欲しくないし、恋愛なんてしたくないんだ。


べつにこの先もずっと、しなくていいと思ってる。


男の子は苦手だし、信用できないから。


もう、恋をしてあんなふうに傷つくのは、ごめんだから。


.


*

.