【完】キミさえいれば、なにもいらない。

まぁ、特に期待してたわけじゃないからいいんだけど、結局忘れてるんだなぁと思う。


やっぱりチャラ男の言うことなんて、真に受けちゃダメだよね。


きっと、あんなのは全部、その場の思い付きの冗談に違いない。


本を借りる人がいないみたいだったので、一度席を外し、本の返却作業に移る。


可動式の棚を移動させながら、一冊ずつ、本をもとあった場所へ返していく。


最近この作業にもすっかり慣れてきたので、わりと迷わずサクサク進めることができた。


だけど途中、思わぬところで苦戦する羽目に。


たまたま棚に戻そうとしたその本の場所が、棚のすごく高いところだったため、微妙に背が届かなくて。


一生懸命背伸びをしたり、ジャンプをしてみたけれど、それでもあと少しのところで、うまく棚に戻すことができなかった。


困ったなぁ。あと少しで届きそうなのに……。