【完】キミさえいれば、なにもいらない。

その日の放課後。図書委員の当番だった私は、授業が終わるとカバンを持ってすぐに図書室に向かった。


人けのない図書室のドアを開け、中に入るとすぐにカウンターに腰掛ける。


そのまま一人で黙々と日誌を書いたり、いつもの作業をこなしていく。


今日も利用者は少なかったので、中はガランとしていて、とても静かだった。


あまりにも静かなので、途中から眠くなってきてしまったくらいだ。


だけど、こんな場所で眠るわけにはいかない。


日誌を書き終わったあとは、カウンターの中で座ったまましばらくボーっとしていた。


それにしても、今日は全然本を借りに来る人がいないな。


机で勉強している生徒が二、三人いるだけで、いつも以上にガラガラだ。


そういえば、一ノ瀬くんが来るみたいなこと言ってたけど、来ないな。