「でもあの人、なんかチャラチャラしてない?遊び人で、彼女コロコロ替えてるって噂聞くし。うちのお兄ちゃんと同じ匂いがするから、私は苦手だなぁ……」
私がそう答えると、ブッと噴き出したように笑う璃子。
ちなみにうちのお兄ちゃんは、正真正銘のチャラ男で、ものすごく女癖が悪い。顔はイケメンなんだけど。
「あははっ!やだ、同じ匂いってなにそれ~!遥(はるか)先輩はさらにもう一枚上手(うわて)でしょ!」
「まあね」
「確かに、彼方くんもチャラいって噂は聞くけど、あくまで噂だし。っていうか私、あの顔にだったら騙されてもいいかもしれない」
璃子の問題発言に、思わず顔をしかめる私。
「えーっ!何言ってるの。チャラ男なんかに騙されちゃダメだって!誠実さのかけらもないんだから!」
「でも、実際に喋ってみないと分かんないよー?実はすっごくいい人かもしれないし。うちらが思ってるほどチャラくないかもしれないし」
「うそ、絶対チャラいよ」
あれはどう見ても……。



