【完】キミさえいれば、なにもいらない。

翌日。朝、いつものように学校に着いて、靴を履き替えようと下駄箱を開けた私。


するとその瞬間、上履きの上にあるものが置かれているのを発見し、ギョッとして心臓が止まりかけた。


「……っ!」


思わず声を上げてしまいそうになったくらいだ。


そこにあったのは、一枚の白い封筒。


なにこれ。まさか……ラブレター?


いや、私に限ってそんなはずはない。ラブレターなんて今まで一度ももらったことないし。そんなにモテるわけでもないし。


となると、他に考えられるのは……呼び出しの手紙とか?


やだ、怖いなぁ。


だけどここ数日の出来事を振り返ると、その可能性は大いに考えられる。


だって、あの学年のアイドル的存在の一ノ瀬くんと絡んでたところをいろんな人に見られてるし。


昨日だって、流れで一緒に帰ることになっちゃったし、一ノ瀬くんのファンの子たちから恨みを買ってしまったとしてもおかしくはない。