【完】キミさえいれば、なにもいらない。

気が付けばちょうど学校の最寄り駅に到着したところだったので、そこでお互いに別れを告げ、ホームに向かって歩いていく。


結局流れで一緒に帰ってきてしまった。何やってんだろう、私。


一ノ瀬くんって、なんだか掴みどころのない変わった人だ。


どうして私なんかにいちいち構うのかな。ほかにもっと可愛くて、一ノ瀬くんを気に入ってくれる女の子なんてたくさんいるだろうに。


彼の考えていることがさっぱりよくわからない。


でもたぶん、私以外にもいろんな子にこうやって思わせぶりなことを言っているんだろうな。


きっとそうに違いない。


そんなことをつらつらと考えながら、一人電車に乗り込んだ。


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