【完】キミさえいれば、なにもいらない。

「いや、でも私、連絡するなんて一言も……」


「雪菜が連絡くれないから俺、けっこー落ち込んでたんだけど」


「えぇっ?」


ウソでしょ。


「そんなこと言われても……」


そもそも私、連絡先書いた紙無くしちゃったし。


「っていうか、私とやり取りなんてしなくてもべつに、一ノ瀬くんは他に連絡とる女の子なんてたくさんいるでしょ」


私がそう返すと、即否定する一ノ瀬くん。


「いないよ。そんなに俺、普段女子と連絡とらないし」


ほんとかなぁ?


「他の子なんてどうでもいい。俺が待ってたのは、雪菜からの連絡だけだよ」


「……っ」


なにそれ。本気で言ってるの?


どうしてそんなに私からの連絡が欲しいんだろう。よくわからない。


そんなに話したこともないのに。


これも彼のナンパの手口とか?


「でも私、一ノ瀬くんのこと、よく知らないし」