――遠矢陸斗先輩。
彼は、一個上の三年生で、お兄ちゃんの友達で、現在彼女持ち。
見た瞬間、ズキンと胸に痛みが走る。
「俺ら、そろそろ教室戻るけど」
「あー、待って!俺も行く!」
お兄ちゃんはそう返すと、サッと私から離れ、こちらに向かって手を振る。
「そんじゃ俺行くわ。またな、雪菜、璃子ちゃん」
私は彼が去っていく姿を見届けたあと、その向こう側にいた陸斗先輩に再び視線を移した。
その爽やかな笑顔は、今も変わらない。
私が憧れていた、あの頃のまま、だけど――。
色々と思い出してしまい、思わず私がうつむくように下を向いたら、同じように陸斗先輩のほうを見ていた璃子が再びはしゃぎ始めた。
「きゃーっ!遠矢先輩じゃん。久しぶりに見た。遠矢先輩もいつ見てもカッコいいよね~。黒髪に眼鏡ってのがまた大人っぽくて好き~」
「あはは……」
彼は、一個上の三年生で、お兄ちゃんの友達で、現在彼女持ち。
見た瞬間、ズキンと胸に痛みが走る。
「俺ら、そろそろ教室戻るけど」
「あー、待って!俺も行く!」
お兄ちゃんはそう返すと、サッと私から離れ、こちらに向かって手を振る。
「そんじゃ俺行くわ。またな、雪菜、璃子ちゃん」
私は彼が去っていく姿を見届けたあと、その向こう側にいた陸斗先輩に再び視線を移した。
その爽やかな笑顔は、今も変わらない。
私が憧れていた、あの頃のまま、だけど――。
色々と思い出してしまい、思わず私がうつむくように下を向いたら、同じように陸斗先輩のほうを見ていた璃子が再びはしゃぎ始めた。
「きゃーっ!遠矢先輩じゃん。久しぶりに見た。遠矢先輩もいつ見てもカッコいいよね~。黒髪に眼鏡ってのがまた大人っぽくて好き~」
「あはは……」