「そ、そんな!いいよっ。お詫びなんていらないから!」


「いいのいいの。そうじゃないと俺の気が済まないからさ。ね、もらってよ」


「でも……っ」


「はい。もう返品は無効~」


ニコニコ笑顔で押し付けられて、戸惑いながらも仕方なく受け取る私。


「……ありがとう」


すると、一ノ瀬くんは急に、空いている私の前の席のイスに腰を下ろす。


てっきりもう用は済んだのかと思ったので、その行動にもまた驚いた。


なんだろう。まだ何か話があるのかな?


そろそろ女子たちの視線が痛いんだけど……。


「ところで、遥先輩は大丈夫だったの?」


そう聞かれて、一瞬なんて答えようか迷う。