「あっ!」


するとそこで、思い出したようにいきなりパンと手を叩く璃子。


「それより私、英語の予習まだやってる途中なんだった!」


「え、そうなの?」


「うん!それじゃあまたあとで!」


そして、そそくさと自分の席へと戻っていった。


いつもそうなんだけど、彼女は突然やってきたかと思うと、突然去っていく。


そんな彼女を見て相変わらずだなぁ、なんて微笑ましく思いながら、私はカバンからいつものように文庫本を取り出した。


とりあえず、予鈴が鳴るまで本でも読んでよう。


しおりの挟んであるページを開いて、読み進めていた小説の続きを読み始める私。


今けっこういいところなんだよね、たしか。


「きゃあぁっ~!」