彼方くんがそう言って、腕にギュッと力を込める。


彼の体温に包まれて、熱くなった体がもっと熱を帯びていくのがわかる。


だけど、すごく幸せで心地いい。


その温もりから、言葉から、彼の想いがこれ以上ないくらいに伝わってくるから。


それに応えるかのように、私も彼にギュッと抱き着いた。


「私も……大好き」


思わず素直な気持ちがこぼれてくる。


するとその瞬間、ピクッとっ体を反応させる彼。


「……っ。ちょっと待って。そんなこと言われたら俺、幸せすぎてどうにかなりそうなんだけど」


「えっ」


「嬉しくて泣きそう」