「それに俺、今はめちゃくちゃ幸せだから、そんなことはどうでもいい。雪菜と両想いなんて、いまだに夢見てるみたいだし」


彼方くんが照れたようにはにかむ。


「マジで……夢なんかじゃないよな?」


「うん」


「俺、本当に今日から雪菜の彼氏になっていいの?」


彼はそう言って今度は右手で私の手を握ると、上目遣いで私の顔を覗き込んできた。


「……うん。もちろんだよ」


照れくさかったけど、ハッキリと頷いた私。


手を繋いだまま至近距離で見つめられたら、なんだか急にドキドキしてくる。


するとそこで彼方くんがボソッと一言。


「じゃあ、キスしてもいい?」


「えっ」