だけど、そこで私が一言付け足すようにボソッと呟いたら、彼はさらにギュッと腕の力を強めた。


「俺も……嬉しすぎて死にそう」


そう口にする彼が本当に嬉しそうだったので、思わず笑みがこぼれる。


「大好きだよ、雪菜。絶対大事にするから」


耳元で彼方くんの優しい声が響く。


「もう俺、雪菜さえいれば、何もいらない」


そんなふうに言われたらやっぱり、嬉しくてたまらなくて。


みんなに抱き合ってるのを見られてることなんて、なんだかどうでもよくなってきてしまった。


ようやく思いが通じた幸せをかみしめるように、彼の背中に回した手に力を込める。


私だって、彼方くんさえいれば他には何もいらない、そんな気持ちだった。


.




.