【完】キミさえいれば、なにもいらない。

劇はその後も滞りなく進行し、ストーリーがさらに展開していく。


アルト王子はある日町人のフリをしてふらっと街に出かけ、そこである町娘の少女マヤと出会う。


たくさんいる兄妹の世話をしながら毎日せっせと靴屋の仕事を手伝うマヤに興味を持ち、何度か会ううちに仲良くなった王子。


彼は最初自分の身分を隠していたが、ある時王子だとバレてしまった。それでも二人の関係は変わらない。


王子は自分になびかないうえに、自分を特別扱いしないマヤのことを新鮮に感じ、彼女の頑張り屋な姿にだんだんと惹かれていく。


そしてあの手この手で口説こうとするけれど、彼女はそう簡単には王子に落ちてくれない。


そんな彼女にヤキモキしながらも、一生懸命頑張る王子。


そしていつからか彼は、他の女の子にすっかり興味をなくし、本気でマヤのことを愛するようになっていた。


そこでようやくこの劇のタイトルを理解する私。


初恋っていうのは、そういうことだったんだなと思う。