【完】キミさえいれば、なにもいらない。

なんだ、そうだったんだ。


なんだ……。


嫌だもう。私ったら、本当にバカ。バカすぎるよ……。


なんという勘違いをしていたんだろう。


ありえないよね。早とちりもいいところだ。


彼は最初から何一つ嘘なんかついていなかったのに。


彼の言葉は全部、本物だったのに。


私は陸斗先輩の時みたいに騙されたんだと勝手に思い込んで、彼の気持ちを疑って、あんなふうに避けたり、ひどいことばかり言ってしまった。


最低だよね。ごめんね。


彼方くん、ごめんなさい……。