気が付けば、ポロポロと涙がこぼれ落ちて、止まらなくなっていた。


「え……っ。ちょっと待って。ウソって何?なんで??」


いきなり泣きだした私を見て、ひどく動揺する彼方くん。


「でもやっぱり、信じられない。彼方くんにとって私は、ゲームみたいなものだったんでしょ」


「……なっ、そんなわけねぇだろ!どうして急にそんなこと……」


あくまで否定しようとする彼の言葉を遮るように、私は続ける。


「だって私、彼方くんが教室で話してるの聞いたもん!恋愛なんてゲームと同じだって。ぶっちゃけあんなのお遊びだって!」


その瞬間、とうとう言ってしまった、と思った。


「え……」


彼方くんはハッとした顔で数秒固まる。


それを見たら、やっぱりあれが本心だったのかなと思う。


「私のこと、からかってもてあそんでただけなんでしょ。口説いてその気になってるの見て、面白がってたんでしょ!」


悲しくて、悔しくて、思わず感情的になってしまう。


そんな私の腕を、困った顔でガシッと掴む彼。


「いや、待てよっ!違うから。あれは……っ」


だけど私にはもう、何を言われても言い訳にしか聞こえなくて。


「もういいっ!」


「雪菜っ!」


彼の手を勢いよく振り払おうとしたら、そこで突然校内放送のアナウンス音が鳴った。


――ピーンポーンパーンポーン。